胸にある筋肉の1つ大胸筋(だいきょうきん).
「起始・停止・作用」を丸暗記するのも楽しくはないですよね…
そこで,今回は日常生活にたとえて大胸筋を覚える方法を紹介します.
大胸筋の基本データ
筋肉のスタート地点(起始):鎖骨,胸骨,第1〜6肋軟骨,腹直筋鞘
筋肉のゴール地点(停止):上腕骨大結節
支配神経:内側・外側胸筋神経(C5〜T1)
作用:肩関節の屈曲・内転・内旋
日常生活では『ドアを押す筋肉』で理解しよう
大胸筋が活躍するのは「ドアを押す」動作です.
・ドアノブを押しながら,前に押す動き→肩関節の屈曲+内転+内旋
・胸の前で「グッ」と力を入れる感覚→大胸筋がギュっと収縮
つまり,「ドアを押すとき=大胸筋が働いている」とイメージすればOK
大胸筋をもっと詳しく知りたいあなたへ
次は大胸筋を詳しくみていきましょう.
大胸筋は3つの線維に分かれます.
・鎖骨部線維→鎖骨から上腕骨に向かって伸びている線維
・胸肋部線維→胸骨と肋骨(正確には肋軟骨)から上腕骨に向かって伸びている線維
・腹部線維→腹部(正確には腹直筋鞘)から上腕骨に向かって伸びている線維
1つずつ解説していきますね.
大胸筋鎖骨部線維
腕を下ろしてリラックスしている姿勢では…肩関節を屈曲させたり,内旋させたりすると働きます.
腕を90°前に上げている(肩関節90°屈曲)姿勢では…水平屈曲させると働きます.
腕を横に90°上げている(肩関節90°外転)姿勢では…水平屈曲させると働きます.
大胸筋胸肋部線維
腕を下ろしてリラックスしている姿勢では…肩関節の内旋で働く
腕を90°前に上げている(肩関節90°屈曲)姿勢では…肩関節の伸展・内転・内旋で働く
腕を横に90°上げている(肩関節90°外転)姿勢では…肩関節の内転・内旋で働く

「腕を90°前に上げている姿勢からの肩関節の伸展・内転・内旋」は水泳のクロールやバタフライで水をかくときに働きそうだね
大胸筋腹部線維
腕を下ろしてリラックスしている姿勢では…あまり機能しない
腕を90°前に上げている(肩関節90°屈曲)姿勢では…肩関節の伸展で働く
腕を横に90°上げている(肩関節90°外転)姿勢では…肩関節の内転・内旋で働く
まとめ
・大胸筋は「ドアを押す筋肉」と覚えるとイメージしやすい
・起始:鎖骨・胸骨・肋軟骨・腹直筋鞘
・停止:上腕骨大結節
・作用:肩関節の屈曲・内転・内旋
・線維ごとに働きが少し違い,水泳などのスポーツ動作でも大活躍

日常生活でもスポーツでも欠かせない大きな筋肉,それが大胸筋なんだね
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